医療法人愛仁会 高槻病院

取り扱う主要疾患

腫瘍性脳疾患

  • 悪性腫瘍(神経膠腫、膠芽腫、胚細胞性腫瘍、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍)
  • 良性腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、血管腫、下垂体腺腫)

出血性脳血管疾患

  • 脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血
  • 未破裂脳動脈瘤
  • 脳動静脈奇形
  • 脳内出血(高血圧性、特発性)

閉塞性脳血管疾患

  • 頚動脈狭窄、閉塞
  • 頭蓋内血管狭窄、閉塞
  • 脳梗塞

機能的脳外科疾患

  • 三叉神経痛
  • 顔面痙攣
  • 水頭症

外傷性脳血管疾患

  • 急性硬膜外血腫
  • 急性硬膜下血腫
  • 慢性硬膜下血腫

主要検査

  1. コンピューター断層撮影(東芝、AQUILION、64列マルチスライスCT)
    3次元コンピューター断層撮影(3D-CT、3D-CTA)
  2. 磁気共鳴断層撮影(PHILIPS 1.5T、MRI、MRA)
  3. 脳血管撮影(PHILIPS Allura 3D-RA/XperCT、FD20)
  4. 超音波頚動脈エコー
  5. 誘発電位測定、脳波

脳血管内治療専門外来のご案内

高槻病院 脳神経外科では専門性の高い地域医療支援病院を目指し、脳血管内治療外来を新設しました。“切らずに治す”と言われるカテーテルを用いた比較的新しい治療です。皆様の脳卒中予防のお手伝いができればと考えています。

受付 : 木曜日 午前9時から11時まで
担当 : 高槻病院 脳血管内治療専門医 前野 和重

脳血管内治療とは? ~切らずに治せるカテーテル血管内治療法~

脳動脈瘤

くも膜下出血は脳動脈瘤という血管の奇形が破裂することで起こります。
カテーテルを血管内に入れて脳動脈瘤のなかにプラチナ製コイルを詰めることで血液が入らなくなり破裂を防ぎます。

治療前
治療前
治療後
治療後

内頚動脈狭窄症

内頚動脈という脳を栄養する血管が細くなると血流が悪くなり脳梗塞が起こります。
ステントで血管の中から広げることで脳梗塞を予防します。

治療前
治療前
治療後
治療後

お問い合わせ

社会医療法人愛仁会 高槻病院 地域医療部
〒569-1192 高槻市古曽部町1-3-13
Tel : 072-681-3832(直通)

患者さまへ

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診療体制

診療日

 
午前 福屋
前野 福屋
脊椎脊髄外来
佐々木
血管内治療専門外来
(予約制)
前野
前野
午後 井阪(予約制) 脳腫瘍専門外来
(予約制)
福屋

日本脳卒中学会の「一次脳卒中センター」(PSC)に認定されました。

このたび高槻病院は一般社団法人日本脳卒中学会より、「一次脳卒中センター」(PSC:Primary Stroke Center)として認定されました。
日本脳卒中学会は、日本循環器学会と共同で、「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」を2016年12月に発表しました。このなかで「医療体制の充実」を掲げ、条件を満たす各地の病院を「一次脳卒中センター」と「包括的脳卒中センター」に認定することにしました。まず、この夏に「一次脳卒中センター」を認定しています。
具体的に脳卒中センターとは「地域の医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる施設」と定義されています。当院はこの条件を満たしていることから、高槻地区の「一次脳卒中センター」として認定されました。
今後とも脳卒中の急性期治療でこの地域に貢献したいと考えています。

なお、日本脳卒中学会が定める「一次脳卒中センター」の要件は、下記の通りです。

  1. 地域の医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる。
  2. 頭部CTまたはMRI検査、一般血液検査と凝固学的検査、心電図検査が施行可能である。
  3. 脳卒中ユニット(SU)を有する。
  4. 脳卒中診療に従事する医師(専従でなくてもよい、前期研修医を除く)が24時間/7日間体制で勤務している。
  5. 脳卒中専門医1名以上の常勤医がいる。
  6. 脳神経外科的処置が必要な場合、迅速に脳神経外科医が対応できる体制がある。
  7. 機械的血栓回収療法が実施出来ることが望ましい。実施できない場合には、血栓回収脳卒中センターや包括的脳卒中センターとの間で、機械的血栓回収療法の適応となる患者の緊急転送に関する手順書を有する。
  8. 定期的な臨床指標取得による脳卒中医療の質をコントロールする。

スタッフ

医師名 職名 資格
前野医師 前野 和重 主任部長 日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中外科学会技術指導医
福屋 章悟 医長 日本脳神経外科学会専門医
日本神経内視鏡学会神経内視鏡技術認定医
川本 早希 専攻医  
中村 夏樹 専攻医  

治療実績

<2019年度 脳神経外科手術内訳>
術式 件数
脳腫瘍 8
開頭クリッピング術 4
脳血管内手術 8
ステント留置術 9
開頭血腫除去術 8
慢性硬膜下血腫洗浄ドレナージ術 46
その他 57
総数 140

脳腫瘍専門外来のご案内

受付 : 木曜日 午後から

はじめに

脳腫瘍には、脳組織自体から発生した原発性脳腫瘍と、脳以外の臓器のがんが転移した転移性脳腫瘍があります。原発性脳腫瘍のうち、悪性度の高いものは、神経を支える支持細胞であるグリアが腫瘍化した悪性グリオーマ、リンパ球が腫瘍化した悪性リンパ腫などがその代表格です。転移性脳腫瘍は、がんの脳転移のため、すべてが悪性で、原発部位では、肺がんが約50%と最も多く、ついで乳がん、消化器がんに多い傾向がみられます。悪性脳腫瘍は全年齢層で発症しますが、中年以降に多く発症する傾向がみられます。

脳腫瘍の症状

脳は、大脳、間脳、小脳、脳幹と呼ばれる構造から構成されておりますが、脳腫瘍の症状は、その腫瘍が発症する脳の部位により、様々です。例えば、大脳の運動機能に関係する部位に発症すれば、運動機能が低下したり、痙攣発作が起きますし、言語機能に関する部位に発症すれば、言葉が話せなくなったり、理解できなくなったりします。小脳に発症すれば、めまい、ふらつきが生じたり、脳幹に発症すれば、ものが二重に見えたり、食物が飲み込めなくなったりします。

脳腫瘍が次第に大きくなると、頭痛、嘔気などが発現し、やがて意識障害が発生することもあります。また、腫瘍が小さくても、脳内の髄液(1日約450mlの産生)の流れを妨げて、水頭症(脳内に髄液が異常に貯留する状態)となり、頭痛、嘔気が発現することもあります。

脳腫瘍の検査

脳腫瘍が疑われた時の検査

頭部CT、頭部MRI

これにより、まず脳腫瘍の有無を確認します。ついで、造影剤を使用したり、脳内の水分含量の変化を調べたりすることで、脳腫瘍の種類を調べます。

広範囲体幹CT、全身PET

悪性リンパ腫や転移性脳腫瘍が疑われる時、脳以外の臓器の腫瘍性病変の有無を調べます。

血液検査、髄液検査

悪性リンパ腫や転移性脳腫瘍が疑われる時、血液や髄液中における、種々の腫瘍マーカー(健康時では低い検出量だが、腫瘍になれば上昇する傾向のある物質)を調べます。

脳腫瘍の検査所見

悪性グリオーマ

頭部CT、MRIにおいて、単発、不整形で、造影剤によりring状に強く造影される傾向にあります。腫瘍周囲には広範な脳浮腫(水分含量の増加)が見られる傾向にあります。

悪性リンパ腫

頭部CT、MRIにおいて、単発もしくは多発性で、造影剤により腫瘍が強く均一に造影される傾向にあります。腫瘍周囲には広範な脳浮腫が見られる傾向にあります。脳原発の悪性リンパ腫では、広範囲体幹CT、全身PETにおいて、脳以外の臓器に腫瘍を認めません。血液検査、髄液検査において、β2-microglobulin、可溶性IL-2受容体などの腫瘍マーカーが上昇する傾向にあります。

転移性脳腫瘍

頭部CT、MRIにおいて、単発もしくは多発性で、造影剤により腫瘍がring状に造影される傾向にあります。腫瘍周囲には広範な脳浮腫が見られる傾向にあります。広範囲体幹CT、全身PETにおいて、脳以外の臓器にしばしば腫瘍が見られます。血液検査、髄液検査において、原発がんの発生で上昇する腫瘍マーカーが、上昇する傾向にあります。例えば、肺がんの脳転移では、CEA、CYFRA、ProGRPなどが、消化器がんの脳転移では、CEA、STNなどが、乳がんの脳転移では、CA-125、CA15-3、CEAなどが上昇する傾向にあります。

脳腫瘍の診断

脳腫瘍の診断は、頭部CT、頭部MRI、広範囲体幹CT、全身PET、血液検査、髄液検査などで、ある程度まで推定できます。

しかし、治療方針を決定するには、脳腫瘍の確定診断が必要な場合があります。その時は、手術により腫瘍を摘出し、その摘出した腫瘍から病理標本を作製し、顕微鏡観察により病理診断します。病理標本は、標準的な染色だけでなく特殊染色を行い、脳腫瘍を詳細に分類し、悪性度の評価も行います。

脳腫瘍の治療

悪性グリオーマの治療

この腫瘍に対する治療の基本は、まず手術で、腫瘍をできるだけ摘出することです。それは、腫瘍を広範囲に摘出すると、その後の生存期間が延長することがわかっているからです。ただ、この腫瘍は、周囲の健全な脳に浸潤する性格を持っており、手術で腫瘍をすべて摘出することは、不可能です。また、腫瘍の存在部位により、手術摘出に制限が生じたり、摘出自体が困難なこともあります。例えば、大脳における運動野、言語野といわれる領域に腫瘍がある場合、無制限に腫瘍摘出を行うと、術後に麻痺や言語障害などが生じます。そこで、実際の手術では、ナビゲーションや神経モニターを使用して、安全に摘出できる範囲をきめて、腫瘍を摘出します。
病理診断にて悪性グリオーマであることが確認されたら、残存腫瘍、浸潤部腫瘍に対する術後の補助療法を行います。まず、放射線治療+テモゾロミド(TMZ)併用療法(60Gyの放射線を6週間かけて行い、その期間中42日間 TMZを連日経口投与する)を行います。ついで、放射線終了後4週間おきに少なくとも6回、TMZの5日間連日経口投与を行います。

悪性リンパ腫の治療

この腫瘍は、前記の諸検査でも、他の脳腫瘍と紛らわしいことがあり、手術によって腫瘍を摘出し、病理診断による確定診断を得ることが必要です。ただ、この腫瘍は、放射線治療および化学療法に感受性が強く、著しい効果を期待できるため、手術においては、広範囲に腫瘍を摘出する必要はなく、病理診断に必要なだけの腫瘍を摘出します。
病理診断にて悪性リンパ腫であることが確認されたら、早期に、メトトレキサート(MTX)の大量化学療法(点滴による抗がん剤投与)を行います。これを、2-3週間おきに、少なくとも3回繰り返します。その後、脳全体に放射線治療(30-40Gyの放射線照射)を4-5週間かけて行います。

転移性脳腫瘍の治療

この腫瘍は、前記の諸検査で、大抵の場合診断がつきますので、確定診断目的の手術は原則いたしません。この腫瘍に対する治療は、原発がんの状態や、脳以外の臓器への転移の状態などが、治療方針の決定に大きく関わります。治療には、手術および放射線治療を様々に組み合わせて、脳腫瘍の制御をめざす治療と、保存的にとりあえず脳浮腫の改善のみをめざす暫定的治療があります。
まず、脳以外のがん病巣の状態から余命が6ヶ月以内の時は、脳腫瘍に対して原則手術はせず、放射線治療(全脳への照射)を行います。ただ、脳腫瘍の摘出により、患者さまの生活レベルの向上が目指せるときや、脳腫瘍のため、脳ヘルニア(腫瘍による圧迫で脳の構造がゆがみ、生命が脅かされる状態)が生じ、生命が脅かされている時など、腫瘍を摘出することはあります。
ついで、脳以外のがん病巣の状態から余命が6ヶ月以上の時は、脳腫瘍が単発であれば、手術+放射線治療(全脳への照射)を行います。脳腫瘍のサイズが長径3cm以下で、個数が4ヶまでなら、放射線治療(定位照射)単独で治療することもあります。
一方、脳以外のがん病巣の状態から余命が3ヶ月以内の時は、保存的に脳浮腫の改善をめざす治療を行います。

当院における脳腫瘍治療の特徴

当院では、基本的には、前記で説明した本邦での標準的な治療方法で脳腫瘍治療を実践しています。ただ脳腫瘍の治療は、長期におよぶことが多く、患者さま、御家族の十分な御理解なしに、進めていくことはできません。そこで、治療方法の決定においては、患者さま、御家族と十分に話し合い、希望をきいて、場合によっては標準的な治療から逸脱した治療を行うこともあります。

さて、脳腫瘍治療で、最も重要な治療手段の一つは、とりもなおさず手術です。手術では、できるだけ体への負担を少なく、術前に計画した通りの腫瘍の摘出を、合併症をおこさずに実行することが重要です。当院ではそのために、術中にはナビゲーションを用いて、腫瘍の摘出範囲を正確に同定し、また脳神経モニターにて、脳の働きをリアルタイムにモニターしながら、高解像度の顕微鏡にて、腫瘍の摘出を行っています。

ついで、脳腫瘍治療で、手術にならんで重要な治療手段は、放射線治療です。放射線治療においては、複雑な腫瘍形態に合わせて照射を行い、周囲の健常な脳への影響を最小限にできる「強度変調放射線治療」が可能な最新の機種が、当院に導入され、今後使用予定です。

また、脳腫瘍治療で、悪性グリオーマ、悪性リンパ腫においては、抗がん剤治療が重要な位置を占めます。当院では、悪性グリオーマにおいては、外来維持療法において、TMZの5日間連日経口投与を6クールだけで終了せず、できるだけ長期間、継続しています。また、インターフェロンを併用して、治療効果を高めています。

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