医療法人愛仁会 高槻病院

神経内科の病気

神経内科とはどういった病気の時に受診すれば良いのか、まだ数が少ない(対象となる病気は実は非常に多いのですが)こともあり、「?」という方が多いのではないでしょうか。「私は神経が悪くて…」といって神経内科に来られる患者さまの中には、神経の意味を『神経質』とか『精神的なもの』として捉えられている方も多いようです。以下に「神経内科とは」を少しご説明致します。医学的意味での「神経」とは大脳、脳幹(中脳、間脳、橋、延髄)、小脳、脊椎、末梢神経および自律神経系のことを言い、神経内科とは運動障害・中枢神経障害・末梢神経障害・筋組織障害・脊髄障害などの神経系統に異常が生じる疾患を取り扱う診療科です。つまり、今まで出来ていたことが出来なくなったり、あるいは今までなかった、あるいは普通と違う動きや感覚が生じたりした時に、どこが何故どうなったのかという神経全般の治療にあたる科です。

中枢神経

いわゆる頭=脳(大脳・小脳・脳幹)・脊髄よりなります。意識や記憶、思考を保ったり、また全ての運動の命令を出し、ものを感じたりする部分です。

末梢神経

末梢神経は脳幹・脊椎にある神経細胞から発する、又はこれらに入る神経の束です。機能の面からは、骨格筋に信号を送り筋肉の運動に関与する運動神経、皮膚・骨格筋等から痛覚・触覚・位置覚・振動覚などの刺激を伝える感覚神経、心臓・胃・肺等の内臓器官・血管・皮膚を支配する自律神経に分けられます。

神経筋接合部

運動神経の終末とそれに支配される骨格筋が接する部分は神経筋接合部と呼ばれ、運動神経に刺激が行くと神経終末より神経伝達物質(アセチルコリン)が遊離され筋に刺激が伝達されます。その結果、筋繊維は収縮し、いわゆる“力”を出すことが出来ます。

骨格筋

筋の働きは力を出し運動を可能にする事、また目的に応じて身体の一部を固定することです。骨格筋の基本単位は骨格筋繊維です。筋組織は神経学的検査においても脱力・萎縮・肥大等、変化が最も直接的に表われる部分です。

症状よりのアプローチ

患者さまの訴えには色々なものがあります。その中で神経内科に関連する具体的な症状は次のようなものです。頭痛、物忘れ、失神、意識が時々無くなる、急に視力が低下、物が二重に見える、顔が痛い、しびれる、めまい、喋りにくい、飲み込みにくい、手足がしびれ動きにくい、けいれん、筋肉が勝手に動く、手足の振るえ、力が入らない、歩きにくい、表情が乏しい、動作が遅い、よく転ぶ、汗が出ない、等です。

疾患としては主に次のようなものです。

脳血管障害

脳梗塞(脳の血管がつまる病気)は、臨床病型で心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他に分類され、さらに発症機序として血栓性、塞栓性、血行力学性に分類されます。脳梗塞急性期の治療、再発予防は臨床病型や発症機序に基づいて行ないますので、CTやMRI、頚動脈・心エコーや血液検査などの結果からこれらを評価します。検査結果により、脳神経外科的な治療に進む場合もあります。

それ以外の神経内科疾患

神経変性疾患(パーキンソン病・脊椎小脳変性症・アルツハイマー病・運動ニューロン病等)、脊髄・末梢神経障害(脊髄炎、ギランバレー症候群その他の神経炎、糖尿病性神経障害、絞扼性神経障害他)、免疫性神経筋疾患(多発性硬化症・重症筋無力症・多発性筋炎/皮膚筋炎・膠原病関連)、髄膜炎/脳炎、種々の頭痛、てんかん、不随意運動などです。代謝性神経疾患、筋ジストロフィーや各種ミオパチーなど、筋生検を含めて診断し、またしびれなど主観的な症状には電気生理学的検査や神経生検等で客観的評価を行ないます。

神経内科と間違われやすい診療科について

精神科・神経科との違いは

精神科もしくは神経科は主に心の病を扱う科です。いわゆる精神病はじめ、ストレスによるノイローゼ、心身症、不眠症等です。これらは通常、脳・神経系に種々の検査及び神経学的診察上明らかな異常を認めません。

心療内科との違いは

心療内科もまだ、神経内科と同様あまり一般に知られていない診療科と思われます。心療内科は種々のストレスが関与して生じる内科的病気(胃潰瘍、喘息、狭心症、高血圧症等)を治療します。

神経内科と関連する科は

脳外科

神経内科と同様、神経系に生じる病気を扱います。神経内科との違いは、外科であり主に脳(脊椎)の手術を行なう病気を対象としている点です。ただ、頭痛、脳梗塞の診断・治療等、脳外科、神経内科ともに扱う病気もあります。

整形外科

腰痛、手足のしびれ、麻痺等症状として来院される場合、整形なのか、神経内科なのか迷うこともあります。整形外科領域は一般に四肢の骨や、脊椎、関節の病気及びこれらが原因で生じる痛み、麻痺などです。ただ原因が骨なのか神経なのかは予めわかりにくいと思われますので、気軽に受診されてご相談いただければと思います。

耳鼻いんこう科

めまい、耳鳴り、難聴、声のかすれ、嚥下障害などで関連します。めまいなどの原因として内耳(三半器官・鼓膜)の異常など耳鼻科領域のものと、脳幹(脳の一部)の障害、前庭・聴神経(脳神経の一部)の障害で生じるものがあります。声のかすれは声帯の異常(炎症・浮腫)で生じる事があり、耳鼻科での精査も必要です。嚥下障害は神経内科の病気(脳幹の障害、脳梗塞、パーキンソン病などの変性疾患)で生じる事も多いのですが、食道、咽頭・喉頭部の異常で生じることもあり、この場合は耳鼻科のこともあり、嚥下造影検査での評価なども行いながら、必要に応じご紹介させていただきます。

眼科

視力障害も眼科領域と重なる面があります。神経内科での視力障害とは、複視(物が二重に見える)・眼検下垂・球後視神経炎(眼球に行っている視神経の炎症)・視野の異常等です。これらは、脳神経のうち眼球運動に関係している脳や神経、筋の障害等で生じます。

おわりに

神経内科の疾患には現在の医学をもってしても確かにいかんともし難いものもありますが、治療薬も発達し、診断と治療を誤らなければ実生活が可能なまでに回復、改善する疾患も多くなりました。治療可能な疾患については全力で対応するのは当然ですが、また、予後の悪い疾患についてもご本人、ご家族の意思を可能な限り尊重して対応しています。病気の特性上、長期療養や在宅介護を要するケースも多く、そのため病気についてのインフォームドコンセントを重視し、社会福祉士や訪問看護ステーションなどとも協力し患者さまだけでなくご家族も含めたQOLの向上を心掛けています。

先に述べた症状など気になることがあればお気軽にご相談してみて下さい。

診療体制

診療日

 
午前 松下
受付11:30まで
松下
前田
受付11:30まで
清家
千原
受付11:30まで
松下
受付11:30まで
午後 松下 検査 松下 清家(予約) 松下

(午後完全予約)

スタッフ

医師名 職名 資格
松下医師 松下 達生 主任部長 日本神経学会認定専門医・指導医、日本神経学会代議員
日本内科学会認定内科医、研修指導医
日本頭痛学会認定頭痛専門医
清家 尚彦 医長 日本内科学会認定内科医
日本神経学会専門医
解剖資格

治療実績

< 2016年 実績内訳 >

神経内科統計

項目 件数
科初診外来患者数 670
再診外来患者数 6,307

入院患者の内訳

項目 件数
脳血管障害 179
神経変性疾患 94
認知症性疾患 188
免疫関連性中枢神経疾患
(MS、脊髄炎、ベーチェット病など)
8
末梢神経疾患(GBS、CIDP、CMTなど) 6
筋疾患
(筋炎、皮膚筋炎、ジストロフィーなど)
46
神経感染症(脳炎、髄膜炎など)、脳症 16
てんかん(原発性、症候性) 109
その他の神経障害 48

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