医療法人愛仁会 高槻病院

病態代謝研究室

研究員紹介

  • 室 長:伊倉 義弘
  • 研究員:大須賀 達也

研究の概要

病態代謝研究室では、室長・伊倉、室員・大須賀の2名が、主に消化器疾患の病態解明~新規治療法の確立を目指し、日常診療の傍、以下の研究テーマに精力的に取り組んでいます。

1. 非アルコール性脂肪性肝疾患の成り立ち・病態・予後に関する病理学的・臨床病理学的研究

メタボリックシンドロームの蔓延により、肝細胞の脂肪化を基盤とした肝障害が増えつつあり、今や先進工業国においては、肝硬変をもたらす最大の原因であると認識されています。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と言いますが、その成り立ちや増悪因子、そして生命予後を左右する肝硬変や肝癌への進展に関しては、未だ不明のままです。当研究室では、NAFLD症例の病理標本及び臨床情報のレビューにより、その病理進展メカニズムを明らかにしてきています。脂肪肝はごくありふれた病変であるため、その中から本当に危険な脂肪肝を特定する手段の確立を当面の目標にしています。一部は科学研究費補助金助成対象となっており、現在までに多くの国内外の学会(日本肝臓学会、日本消化器病学会、日本病理学会、米国肝臓病学会、欧州肝臓学会)や医学雑誌上(Hepatology; World J Hepatol; Dig Dis; J Diabetes; Int J Clin Exp Pathol; Int J Cancerなど)で成果を公表しています。

2. 慢性肝疾患における血小板減少の意義について:抗血小板薬投与による治療の可能性

肝硬変に進展すると末梢血中の血小板は減少し、出血傾向となると理解されています。理由は多岐にわたりますが、我々は病肝局所などでの血小板消費の亢進が、要因の一つとして影響をおよぼしていることを明らかにしてきました(Am J Med Sci 2013;消化器内科2013)。この一連の研究で得られた知見から、抗血小板薬で過剰な凝固反応を抑制することにより、血小板数の回復が期待できるのではないかと考え、目下、仮説を検証すべく、所見の蓄積を進めています。得られたデータは一部、国内外の学会(日本肝臓学会、米国肝臓病学会、アジア太平洋肝臓学会)や医学雑誌上(Int J Clin Exp Med 2017)に公表しています。抗血小板薬、特に低容量アスピリンは、肝線維化の進展を遅らせ、肝癌発生抑制に期待が持たれており、2018には米国の医療メディアでも取り上げられました(Gastroenterology & Endoscopy News 2018)。将来的にNAFLDを標的とした低容量アスピリン投与の前向き試験を実施すべく、現在検討中です。

3. さらなる患者負担軽減を目指した内視鏡治療・デバイスの工夫

内視鏡治療は近年格段の進歩をとげ、治療を受ける患者様への大幅な負担軽減をもたらしましたが、未だ改善の余地は残されています。

  1. 大腸狭窄に対する金属ステントの有効性および安全性の評価:
    日本消化器内視鏡学会附置研究会である「大腸ステント安全手技研究会」のもと、多施設共同研究に参加しています。
  2. 小児食道狭窄に対するバルーン拡張術施行時の工夫:
    体格や狭窄度に応じたデバイスの使い分けや施療のコツを提案しました(Esophagus 2018)。
  3. 内視鏡的痔核結紮デバイスを利用した直腸カルチノイド切除:
    痔核結紮デバイスを応用した簡便・確実な直腸カルチノイド切除手技を考案、欧州消化器病学会で発表しました。現在その治療成績について詳細に解析しています。

研究課題一覧

業績一覧

氏名 論文 発表
室 長:伊倉 義弘
研究員:大須賀 達也

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