医療法人愛仁会 高槻病院

腎臓疾患研究室

研究員紹介

  • 室 長:吉川 徳茂
  • 研究員:石森 真吾

研究の概要

1. 小児IgA腎症の治療法開発

小児腎疾患の中で、IgA腎症は最も多い慢性腎炎であり腎不全の主要原因である。IgA腎症はIgA免疫複合体が糸球体に沈着した結果、糸球体の慢性炎症が惹起され、糸球体内皮細胞・メサンギウム細胞増殖が起こり、糸球体線維化・腎機能障害に至る。IgA腎症は糸球体の慢性炎症により進行する。現在根治的な治療法のないIgA腎症の治療法を開発する。

2. 小児IgA腎症尿中マーカーの開発

現在IgA腎症の診断には腎生検による病理組織学的診断を待たなければならず、より非侵襲的で疾患特異的なバイオマーカーが求められている。尿は非侵襲的に採取できることから、尿バイオマーカーを用いたIgA腎症の診断や病勢の予想ができると臨床的に非常に有用である。尿バイオマーカーを用いてIgA腎症を非侵襲的に診断する方法を開発する。

3. 先天性腎尿路異常における尿中バイオマーカーの開発

先天性腎尿路異常は小児における慢性腎臓病のうち最多を占めるが、その進展機序は未だに不明である。近年になって「慢性腎臓病進展の病態におけるレニンアンギオテンシン系の関与」が報告されたが、慢性腎臓病進展機序の未解明な先天性腎尿路異常とレニンアンギオテンシン系による腎間質障害との関連についてはこれまで一切検討がなされていない。尿中バイオマーカーにより「潜在性のレニンアンギオテンシン系亢進」を証明することで、先天性腎尿路異常の慢性腎臓病進展機序解明を行う。

4. 乳児発熱性尿路感染症における腎腫大と遠隔期予後との関連の検討

乳児発熱性尿路感染症は不可逆性病変である腎瘢痕を形成しうることが知られ、そのrisk factorとして膀胱尿管逆流症、反復性尿路感染症、腎腫大がある。初発尿路感染症時に評価可能なものは腎腫大のみである。近年、我々は単一施設での乳児発熱性尿路感染症初発時の腎腫大が反復性尿路感染症と有意に相関することを報告した。多施設でより大規模な検討により、腎腫大と遠隔期予後との関連を証明できれば、副次的に腎瘢痕形成予防につながる。

5. 小児ネフローゼ症候群におけるワクチン接種とネフローゼ再発との関連研究

小児特発性ネフローゼ症候群の原因はいまだ不明であるが、上気道ウイルス感染症や様々なワクチン接種などがネフローゼ再発の誘因となる。しかし、小児ネフローゼ症候群患者におけるインフルエンザウイルスワクチン接種とネフローゼ再発に着目した検討は少ない。我々は後方視的検討の中で、インフルエンザウイルスワクチンで小児ネフローゼ再発のリスクは増加しないことを報告した。小児特発性ネフローゼ症候群の患者に対しインフルエンザウイルスワクチンの接種を行い、ネフローゼ再発に及ぼす影響とその他の副反応を前方視的に探索的に評価することで、インフルエンザウイルスワクチン接種の安全性および安全に接種するタイミングを解明できる。

6. 小児造影剤腎症予防の研究

造影剤の使用は腎障害のリスクであることは周知されている。成人領域では大量輸液、アルカリ輸液、血液透析といった様々な造影剤腎症予防が講じられているが、小児領域においてはそのエビデンスに乏しいのが現状である。急性腎障害合併小児を多く抱える小児集中治療室では、造影剤を使用した画像検査を余儀なくされる機会が多い。小児集中治療室において造影剤を使用する急性腎障害合併小児に対し、輸液や透析などにより層別化を行って腎予後を評価することは、小児造影剤腎症予防の開発につながる。

研究課題一覧

業績一覧

氏名 論文 発表
室 長:吉川 徳茂
研究員:石森 真吾

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